ティーカッププードルと言う犬種は居ません。ティーカップと言うのはトイプードルの中でもサイズの幅があるので
サイズを更に分類するために呼んでいる俗称で、トイプードルの中には、トイサイズ、タイニーサイズ、そして
ティーカップサイズと分けられます。
ティーカッププードルはもう10年以上前からアメリカでは呼ばれていました。ティーカップと言う言葉は、
アメリカのヨークシャーテリアのブリーダーが、すごく小さな子犬が生まれた時に、ティーカップヨーキーと
呼んでいたのが発祥です。
最近、「
ティーカッププードルに確実になる子は生後何日だと何グラム以下でなければならない」のような固定概念で居られる方が多いですが、決してそんな形でティーサイズと決めているわけではございません。また、両親がティーサイズでなければティーサイズの子は生まれないと思われている方も少なくありませんが間違いです。
当方では、母犬は2kg~2.8kg、父犬は1.2kg~3kgを使用して、良い犬の作出を目指しています。その中でたまたま出てくる子がティーカップです。無理に小さい子を作ろうとするのではなく、2kgの母犬と2.5kgの父犬から生まれたたまたま小さな子が理想的なティーカップですが、ティーカップを作出するために、2代目にはサイズの小さな1.2kgの父犬を使うなど、1代おきにティーカップを入れることでティーカップの遺伝子を下の世代へ残しております。
未熟児の子をティーカップと俗に呼んでいる子の中で、頭にペコがあったり、心疾患のある子が多くなってきたといわれておりますが、今までお譲りしたティーサイズの子でそのような疾患の持った子犬は1匹も居ない事は自信を持っていえることの一つです。
私の所で今まで沢山のティーサイズの子をお譲りしましたが、産まれた時に60g位の子も居ますが殆どが120g程度有り生後50日程度で600g~700g程度ある子も居ます。
それではティーサイズでは無いと言われる方も居るかと思いますが、私の所では健康的で骨がしっかりしていて、尚且つ子犬らしいプクプクの体型を理想として子育てしています。
では、どうやってティーサイズを見分けるのかは、今までのブリーディングの経験上と、ライン、前腹の成長過程、子犬の頭蓋、耳の付き方、ナックルの成長具合などから決めています。
やはり、体重ではなく全体を見る事と今まで生まれてきたその子のラインの認識などで決めるのが本当だと感じました。確かに未熟児でなく、健康なティーカップの子で初めから小さい子も居ます。しかし、その逆に生後2ヶ月半まで普通に成長し続けて、一見大きくなりそうな子でも、生後3ヶ月目から成長が緩やかになる子も居るのです。その見分けは熟練したチェックのみで決めるものですから多少の誤差は生まれることもありますが100gか200gの差です。
ティーカップの作出の仕方としては、プードルのブラウン、チワワやダックスのチョコ、ラブラドールのチョコを
作るときと要領は似ています。例えば、3kgの両親からでもティーカップは生まれます。なぜなら、因子を見て
作るからです。
ラブラドールのチョコを作るときには、チョコラブとチョコラブで掛け合わせればチョコが必ず1匹は生まれると思います。それと同じで、ティーカップ×ティーカップでもティーカップが1匹は生まれます。
しかし、チョコラブではブラックが生まれることもありますし、ティーカップ×ティーカップでは、ティーカップ
サイズ以外も生まれるわけです。
先程の3kgの両親犬の話に戻りますと、3kgの母犬でもティーカップから生まれた母犬と、ティーカップから生まれた3kgの父犬で掛け合わせれば確率的にはチョコを作るときと同じで低くなりますが、ティーカップが生まれます。
繁殖をされている方ですと意味が分かると思いますが、一般の方に図にしてみます。
ブリーダーを何年か前から始められた方からもよく聞かれるのでこれで分かっていただけるかな。
例チョコラブの作り方 |
ティーカップの作り方 |
1.チョコ×チョコ |
1.ティーカップ×ティーカップ |
2.チョコ×チョコ因子ブラック |
2.ティーカップ×ティーカップ因子のタイニー又はトイ |
3.チョコ因子ブラック×チョコ因子ブラック |
3.ティーカップ因子のタイニー又はトイ×同様 |
と、言う事で、この作り方はティーカップのサイズのプードルだけでなく、どの犬種にも当てはまることです。
チワワでもすごーくデカい子とすごーく小さい子が居ると思いますし、ポメでもマルチでも同じで、
たまたま、プードルの場合に
ティーカッププードルと言う俗称が付いたために変に煽り立てる方が居るのです。
ネットでの仲介のみのブローカーさんなどは、新聞の片隅に出ている「高額!!副業」のペットブローカーの求人などを見て始められる方が多いので、犬自体に無知識なままやられた方が多く、そんな方々から教えてもらった事がかえってお客様へ勘違いした知識として習得してしまっていることが多くなりました。
アメリカでは、長年ティーカップ専門としてやられているブリーダーが沢山居ます。
獣医学的にもティーカップについて学説が出ていて、ダックスのカニヘンサイズと同じようにティーカップを専門としているプロのブリーダーさんが数多く居ます。
ティーカップサイズの犬は日本では病気がちや弱いなど言われていますが、それは未熟児
の小さな子犬をティーカップとして出回っているからです。ティーカップを真剣に作出しているブリーダーのお友達も居ますが、彼女の犬は本当に小さくて可愛いくて健康的です。彼女とは数年前にトイプードルの子犬の問い合わせで知り合い、BBSでやり取りをしていくうち仲良くさせていただき、直接お互いの店を行き来する仲になりました。すごく勉強しているので私も勉強させてもらう部分も沢山あります。
人間でも犬でも子供は小さく産むのが良いこととされています。その言葉をブリーダーのお友達のメールでふと思い出しました。人間も妊娠中毒症にならないように気をつけて胎児の大きさも細かくチェックして妊婦さんは過ごします。それと一緒で小さいから悪いと言う事はないんですよ。ただ、小さい分骨は細いから高い部分からの飛び降りには気を付けてほしいですよね。体が小さい分体力も大きい子と比べれば少ないですから、お譲り後すぐににキャリーバックに入れて長時間出かけたり、抱っこしたり降ろしたりを繰り返すなどは犬にとっては目が廻りますので、なるべく2回目のワクチンまではゲージで飼育してあげて、時間を決めて運動や食事の時間に室内での自由運動のみにしてください。
サイズのことで不安な方も数多く居ますので、これからホームページの更新をするついでに今までお譲りした
ティーカッププードルのお客様のご意見や皆さんへのアドバイスと共に、ワンちゃんの成長過程や写真の詳細を掲載したページを製作しようと考えております。
私は今現在、更なるプードルのブリーディング向上のため沢山の海外ブリーダーとの意見交換を行って日々勉強に励んでおります。アメリカにはレッド、アプリコットプードルクラブもあり、中間色であるレッド、アプリコットの意見交換が毎週のようにショー会場以外にも行われています。私も今、アメリカのブリーダー、ハンドラーの意見を元に集めた沢山の知識をプードルファンの日本の方々に伝えられるよう色々と考えているところです。
少しでも皆様のお役に立てるよう努力をし、プードル愛好家の一人として今後も頑張って参りたいと思っております。サイズ表は↓にあります